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ブラックリストは一種の「安全装置」かも

さいわい私はブラックリストに載ったことはありませんが、知人に一人、その経験をした男がいます。
それほど親しい関係ではありませんので、詳細はよくわかりません。ともかく彼は、ある理由で借金返済が不可能になり、弁護士を依頼し、債務整理をするということになってしまいました。
そして、その手続きによって、以後金融機関などからお金を借りることができなくなったといいます。
それを「ブラックリスト」というのかどうか、私は正確なことはわかりませんが、そういう状況になったことはたしかなようです。

ブラックリストの男、意外に明るい

「ローンも組めないんだよ」と彼は苦笑いをしながら言いました。そのとき私が感じたのは、「意外に明るい」ということ。
借金の整理ができたので、気持ちがそれまでより明るくなった、ということなのでしょう。
長いこと借金返済に苦しみ、「自己破産」も視野に入れながら、弁護士のもとを訪れた苦悩を考えれば、整理ができて、すっきりした気持ちになったことは、想像に難くありません。
彼にそのことを指摘すると、「そのとおり。ブラックリストに載ったことも、悪くないんじゃないか、って思ってる」という意外な答えが返ってきました。
彼を苦しめていたのは「借金」です。

借金とは完全に無縁の生活に

それがブラックリストに載ったことによって、借金とは完全に無縁の生活になったわけです。
どんなに「金を借りたい」と思っても、それは不可能。一見、息苦しい状況のようにも思えますが、当事者にしてみれば、「これで100%借金から解放された」という感覚を抱くようなのです。
もちろん、それは彼の個人的な感想ではあります。ローンが組めず、人生が限定されてしまう人もいるでしょう。しかし、少なくても彼のように解放感を得た人がいることは事実なのです。
私はその話を聞いて、「ブラックリストは、一種の安全装置と考えることもできるのでは?」と感じました。本人の意志とは関係なく、仕組みとして借金できなくなる、というのは、当事者にとって「再び借金地獄に陥る危険性はない」ということです。ブラックリストは「お金を貸す側」の都合で作られたシステムでしょう。

借りる側にもメリットがあるブラックリスト

しかし、「借りる側」にとっても、メリットがないことはない、と私は思っています。
はじめて知ったのですが、ブラックリストには「時効」のようなものがあって、何年かするとリストから名前が消えるのだそうです。ただ、彼はその後も二度と、金融機関から借金することがなくなったと言っていました。「借金体質」から脱却したのだと思っています。


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